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人生は何が起こるか分かりません。 自分としては不本意なタイミングだったとしても、全体から見れば最高のタイミングなのかも知れません。 その時には分からなくても、後から分かる事はよくあります。 シドニーでお店を10年間やりました。 そのお店を韓国人夫婦に売却し、帰国しました。 10年後、姪っ子たちが現地を訪れた時、そのエリアは完全リノベーションで店はありませんでした。 しかし兄の知人が最近シドニーを訪れた時に、店の写真を送信してきました。
綺麗な店に生まれ変わってました。 まだ生き残っていたなんてとても嬉しいです。 1996年9月11日にオープンし、20年以上続いています。 しかも検索するといくつか店舗を増やしているようで、驚きました。 もし僕があのままやっていたら?と思うと疑問です。 「売却する時期ではない」と僕は反対しましたが、兄と妹の意見は違いました。 でもその頃音楽の仕事が増えてきたので、売却に応じました。 実はそのタイミングで店を売ったのが良かったのです。 引き継ぎの最中に母危篤となり、日本に急きょ帰国しました。 売却が完了していたのが本当に幸いでした。 僕は売却のタイミングではない、と思ってましたが、人生何が起こるか分かりません。 これがもし店を経営しながら、と考えると本当に恐ろしいです。 母の元に駆けつけたくても、色んな責任がありすぐには無理だったでしょう。 葬儀とか、その後の始末やら本当に色々あるわけです。 だからすぐにはシドニーに戻れず、レッスンや演奏の仕事もキャンセルしました。 The basement というジャズクラブでのブッキングがあり、そこで演奏する事は一つの目標でもあったのですが、2回演奏予定をキャンセルしました。 オーストラリアの一番有名なクラブで、ステイタスみたいなものが欲しかったのです。 でも、そんなステイタスは今となればどうでもいいです。 それよりも何を大切にして生きるか?を考えさせられました。 やりたい事もある、でも家族はもっと大切なのだと。 10年間店を経営しながら、「これをいつまでやるのか?」といつも考えていました。 店で忙殺され「音楽の仕事をしたい」という夢を完全に諦めた僕でしたが、最後の4年半はその夢を叶える事が出来ました。 結婚も出来て、幸せな新婚生活の絶頂でした。 誰がどのタイミングで死ぬなど分かりません。 そういう事は神様に任せています。 自分には理解できない事、不本意な事があったとしても、結果を見ると完全に感謝に変わります。 親父を一人にしておけない、かと言ってシドニーで暮らすのも難しいという判断で、日本に帰国しました。 実は僕は以前母から父の面倒を見るように頼まれていました。 妹も帰国し、独身なので父と一緒に暮らしてくれましたが、母との約束もあり、すぐ近くに住みました。 シドニーでの生活は幕を閉じ、その後低迷を続ける事になりました。 でもそれは15年の海外生活の経験の熟成期間なのです。 熟成とは寝かせる事、何もしない、放置期間なのです。 シドニーでの反省から、絶対にスローライフにすると決めていました。 貯金を切り崩しながら、帰国後すぐに生まれた娘の子育てを満喫しました。 先の事は何も決まってませんでした。 妻を手伝う事ができ、娘とたっぷり時間を過ごす事ができ、本当に感謝でした。 その貴重な時間を仕事に費やさなかった事は最高の決断でした。 100歳の寿命から見れば、育児の数年は本当にスペシャルイベントなのです。 今は週3日バイトをし、ギターを教えたり、ebookを販売したりというスローライフです。 そろそろ熟成期間が終わりつつある、と感じています。 死ぬまで走り続ける計画です。 金稼ぎだけに翻弄されるのは、人生全体から見ると知恵がないと思います。 「人生には色んな時期がある」と聖書に書かれている通りです。 分からない事が起きても、うろたえず神様を信頼していれば間違いないのです。
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4月 2023
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