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僕は妄想するのが好きなんだと知りました。 で、それをするには、目に見えるもの、見えないものとのやりとりの為に、ヒマとスペースが必要なんです。 モノやコトが有り過ぎるとダメです。 スカスカでないと、思いを十分に巡らせないんです。 それができると、自分参加型の時間を過ごせて楽しいです。 妄想中はとにかく遮断されない事、邪魔がほんの少しでも入ったらおしまいです。 多分そういう理由で、ミニマリズムに惹かれるんだろうなと思います。 実は僕はカントリーミュージックも好きです(弾けませんが)。 80年代に聞いていた人たちしか知らないので、詳しくはありません。 当時は今と比較すると、全く情報がありませんでした。 たまたま火曜日の夜中にFMをつけたら、軽快な曲が流れていていいなあと。 何度か同じ状況に出くわして、好きになりました。 それはカントリーエキスプレスという番組でした。 知ってる人はあまりいないと思います。 火曜日の夜2時とか、2時半からのオンエア(愛知県)なんです。 本当に人気のない番組だったんでしょう。 1時間番組だったのが、数年後には30分になり、悲しかったです。 カントリーミュージックに触れる機会は、それ以外にありませんでした。 だから僕は毎回カセットテープに録音し、ストックしてたんです。 こういう話はインターネット以前の世代の人には、ごく普通の話ですよね。 夜中の2時まで待つのは、少しクレイジーかも知れませんが… それしか無い、とあらばそうするしかありませんから。 音楽以外の情報は皆無で、僕は妄想に浸るのみでした。 アコースティックギターの乾いた音、柔らかく優しく包み込むようなスティールギター… 音だけを頼りに自分だけの想像の風景、想像上のアーティストの顔、を楽しんでました。 聴き始めたのは84年、当時14歳です。 カントリーミュージックに興味を示す人は周りにはいなくて、寂しかったのを覚えています。 だから他のジャンルとは違う、特別な思い入れがあったようです。 毎日24時間聴き続けても、聴き尽くせない音源があります。
カントリーだけじゃなく、色んなジャンル、色んなアーティスト、アマチュアも含め全て同列にです。 当然それはすごく楽しい、初めての人、また昔聴きたかったけど聴けずじまいだった人も含めて聴けるなんて。 ただ、あの頃のような気持ちで聴く事はもう無いのかな?と思うと、少し寂しい気もします。 youtubeは大体PVがアップされているんで、アーティストの顔や演奏の仕草も見れて、それはそれで楽しいんですが… 本当に楽しかったのは、僕だけの妄想の世界なんだと。 その番組を楽しみに火曜日の夜遅くまで起きていて、眠気を我慢する感覚とかまで含めて。 ラジカセの音量を絞りながらも、全ての音を聴き取ろうと。 無いからこそ、価値があったし、聴く事に一生懸命参加してました。 聴ける歌は少なく、反対に時間はたっぷりありましたし。 音楽以外に僕を邪魔する楽しみはなく(スマホ通知も無いし)、妄想を思う存分展開できました。 ナイーブな子供でしたし。 そういう感覚が恋しい、だから僕はミニマリズムに惹かれるんでしょう。 もう長らく妄想に耽る音楽鑑賞って行為をしてないなあ。 コメントの受け付けは終了しました。
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4月 2023
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