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「なぜ1音1音が磨かれてるみたいになるんですか?いちいち気にしながら弾いているんですか?」 「メーン、そんな時間ないぜ。それはつまりフレージングの事だろ?フレージングは大切だ、俺もこだわってるぜ」 それが最も印象に残ったアドバイスの一つです。 一つ一つの音は練習の時に磨いているのだろう思います。 しかし実際に即興する時には、考えている暇はありません。 シドニーにいた頃、ANAホテル(現在シャングリラ)のラウンジで、ジョン ハーキンスというアメリカ人ジャズピアニストが演奏してました。 何度か傍で見た事があります。 当時仲良くして下さった河野さん(今も東京で活躍されているベーシスト)から紹介して頂いていたので、休憩になると色々話しました。 フレージング=一つのメロディーの塊をどう歌わせるか? これは、音楽ジャンルそれぞれ特有なものがあります。 例えば、1つの同じブルースのフレーズにしても、ブルース、ジャズ、カントリー、ハードロック、それぞれ違う歌わせ方をするでしょう。 リスナーはフレージングによってジャンルを聴き分けるのだと思います。 各ジャンルの中でも、有名な人たちは独特のフレージングがあります。 フレージングによって誰か分かると言っても過言ではありません。 ジャンル特有のフレージングを習得した上で、そこから自分のものを確立するのがいいでしょう。 難しいテクニックをやればいい、流行りのアプローチを取り入れればいい… その考え方だと、コアな部分が抜けてしまい、彷徨う事になるかも知れません。 むしろ簡単なフレーズをいかにそのジャンルらしくできるか?そこがまず最初のチャレンジだと思います。 これは英会話に似ていると感じました。 日常会話では、難しい表現や単語はなるべく避けます。 シンプルで、感情を込めて、テンポよく、が重要です。 「洗練された表現を盛り込めるか?」「専門用語を使えるか?」ではありません。 気楽で、なるべく簡単で分かりやすい方が、ストレスになりません。 そして良い発音、イントネーション、つまりフレージングが求められます。 となると、いかに語彙以上にリスニングが大切かと言う事です。 「それらしく」自分がそれを感じとって、コピーする能力が問われるわけです。 コピー、つまり自分の言った音を、自分の耳が判別できなければなりません。 耳の良さが最重要です。 そして話す時も、即興の時と同じように、逐一考えながら出来ません。 「正しい言葉か?」「発音は正しいか?」それは無理です。 無意識的に反応できなければ、無理です。 つまり英語は英語で、音楽は音楽で、考えていなければ、不可能です。 極めて簡単なパターン練習により、反応する癖をつけるのみです。例えば… Do you like music ? Yes, I do. What kind of music do you like ? Jazz. Who's your favorite ? Miles Davis. これくらいの英語しか僕は出来ませんが、必要な言葉だけの返答でも反応が速く、良い発音で、感情を込めて言えば成り立つのです。 これが出来ないならば、どんなに難しいフレーズを暗記しても、会話にはならないでしょう。 暗記したフレーズを瞬時に出せるような、完璧なタイミングはまず現れないからです。 これは即興も同じです。 短くて、シンプルなフレーズで、すぐ反応できるように、単純なパターン練習を死ぬほどやるに限ります。 あるコードに対し、考えながら音を探すようでは遅すぎます。 あとはつなぎです。
つなぎをスムースにこなすか?それに尽きます。 フレージングさえしっかりしていれば、英語も音楽もそこそこカッコよくなると思っています。
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4月 2023
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